僕のイタリア旅行記③ ”Ritornerò presto!!”

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江馬 潤 先生の写真 江馬 潤 先生

僕のイタリア旅行記③ ”Ritornerò presto!!”

皆さん、こんにちは!

前々回から2回に渡りご紹介してきた、
ミラノの洗練された街並みや
ベネチアの幻想的な水の都を巡る
イタリア旅行も、
ついに最終目的地ローマへ移ります。

すべての道はローマに通ず
という言葉通り、
この都は1500年以上にわたって
世界の中心として
君臨し続けてきた歴史の宝庫です。

この最終編では、
実際に歩いて感じたローマの魅力はもちろん、
事前に知っておくべき歴史的背景や
現地の人々との交流で学んだことなど、
次にローマを訪れる方々の
参考になる情報を織り交ぜながら
永遠の都ローマでの最後の冒険を
一緒に振り返って行こうかと思います♪

前回までのブログ
↓↓↓
僕のイタリア旅行記①Inizia un viaggio emozionante!!
僕のイタリア旅行記②”Avanti, a Roma!!”


水の都ベネチアから、
列車に乗り4時間ほどで
ローマのテルミニ駅に到着。

向かった先は、
映画「グラディエーター」で有名な
巨大円形闘技場の「コロッセオ」です!



推定でも最大8万7千人の観客を収容できたと
言われる巨大施設。

その大きさは東京ドームよりも遥かに大きく、
最大収容人数も
東京ドームの5万5千人を上回ります。

巨大な石を48mまで持ち上げたのは
人力のクレーンです。

この時代に動力こそ違えど
現在のクレーンと構造が近似した
高等重機を用いていたことに驚きます。

コロッセオでは、
剣闘士や猛獣のライオンやクマなどとの
戦いが行われており、
これらの戦いは皇帝が市民に提供する
無償の娯楽であり、
政治的な安定を維持するためだったそうです。



当時の市内には多くの失業者や貧困層が
住んでおり、彼らが暴動を起こせば
政治的混乱が生じる可能性がありました。

壮大な催し物で民衆を楽しませることで
皇帝への忠誠心を高め、政治的な
不安定要素を取り除くことができたのです。

続いて向かったのは、バチカン市国にある
サン・ピエトロ大聖堂です^ ^



バチカン市国は世界最小の独立国家で、
その面積はわずか00.44平方キロメートル、
人口も約800人程度で、
東京ディズニーランドとほぼ同じ大きさ
になります 。

小さいながらも、
ここはカトリック教会の中心地であり、
ローマ教皇が国家元首を務める
絶対君主制国家です。

世界13億人のカトリック信者の
精神的中枢となる唯一無二の聖地なのです!

ここにある主要な建造物は、
ミケランジェロが設計した
巨大なドームでも有名な
「サン・ピエトロ大聖堂」、

ミケランジェロの天井画「天地創造」があり、
教皇選挙(コンクラーベ)が行われる
「システィーナ礼拝堂」
教皇が居住する「バチカン宮殿」
そして世界屈指の美術コレクションを
収蔵する「バチカン美術館」です。

実は今回の旅行の前に、残念ながら
フランシスコ・ローマ教皇が
お亡くなりになられ、
次の教皇を選出するコンクラーベの準備中
ということもあり、
システィーナ礼拝堂が立ち入り禁止に
なっていました >_<

1番のお目当てだった
ミケランジェロの超大作「最後の審判」が
見られなかったのは大変残念でしたが、
気を取り直して
「サン・ピエトロ大聖堂」へ向かいます!



サン・ピエトロ大聖堂は、
建設中の発掘で偶然にも
使徒ペトロの墓上に建造されている事が判明し、
カトリック教会にとって
最も重要な聖地の一つです。

ペテロはキリストの12人の
使徒のリーダーであり、
ローマ帝国に迫害されて殉教しました。

聖書では「ペテロよ、
あなたの岩の上に私の教会を建てよう」と
サン・ピエトロ大聖堂の建設を
ハッキリと預言しています。

その内部には
ミケランジェロの「ピエタ」や
ベルニーニの「聖ペトロの司教座」など、
世界的に有名な芸術作品が数多く
収められています。

特にこの「ピエタ」像は、
十字架から降ろされたキリストを抱く
聖母マリアを描いており、
その聖母の表情は悲しみを超えて
静謐な受容を表現しており、
抱かれたキリストの身体は
解剖学的に完璧に彫られ、
衣服のドレープまでもが石とは
思えないほど柔らかさや
温かみを表現しているのです。



また、この像はミケランジェロが
弱冠24歳の時の作品で、
彼の初期の彫刻にして最高傑作
と言われています。

なので、この作品には
ミケランジェロが自分の名前を刻んだ
唯一の作品という特徴があります。

よく見ると向かって右のマリアの胸の帯に
「フィレンツェのミケランジェロ・
ブオナローティの作」
と刻まれているのです!

この作品は
本当に言葉にならないほど美しく、
私が今までに見た彫刻の中で
最も目と心を奪われた作品でした(*´∇`*)

しかし、この「ピエタ」像は、
1972年の見物客による破壊行為以降、
防弾ガラスで保護されています。

破損で欠けた聖母とキリストの鼻は、
粉々になった大理石の破片を
全て拾い集めて粉末状にして
修復に使ったのです。

今では、修復痕もわからないくらい
綺麗になっていますが、
驚きの修復魂です ∑(゚Д゚)

続いて、待望のバチカン美術館へ!

ここは、歴代のローマ教皇が収集した
貴重な収蔵品が並ぶ
世界最大の美術館です。

全て見て回ると
6時間以上かかるらしく∑(゚Д゚)

もう、どこから攻略していいか
わかりません(笑)

入場すると、所狭しと
大理石の彫刻が並んでいます。
他の美術館ではありえないほどの
圧倒的な展示数です!

ローマ市内は、ローマ時代の神殿など
遺跡の上に3-6mほど土が堆積し、
その上に何百年もかけて
今の街並みが建造されています。

なので、どこを工事しても
遺跡が出てきます。

現在、大きな地下鉄工事が
行われていますが、
遺跡や古代の品々の出土ラッシュで、
工事は遅々として進まず、
工事現場には神殿の柱などが
ゴロゴロ転がっていました((;゚Д゚)))

ひたすら並ぶ大理石像を見て回ると、
有名なラオコーン像が見えてきました^ ^



紀元前160年に作られた
ギリシャ時代の大理石像で、
ギリシャ神話のトロイアの神官
ラオコーンとその2人の息子が
海蛇に巻き付かれている情景を
彫刻にした作品です。

既にお気づきかと思いますが、
これはトロイの木馬のお話しです。

トロイの木馬がギリシア軍の策略である
ことを暴露しようとラオコーンが
槍を投げつけようとしたところ、

女神アテナによって遣わされた
海蛇に襲われて彼の2人の息子と共に
殺される話を表現しています。

採掘当初よりラオコーンの右腕は
肩から欠損しており、
後の修復家によって
蛇の頭を握り締める豪快に伸びた
右腕が取り付けられました。

しかし、後に発見された本物の腕は
蛇に絡み付かれた焦りで、
背中に向かい捩らせて苦しみもがく姿
であることが判明しました。

苦悶状の顔を見ると苦しんでいる
動きの方が芸術性がある気がしますね!

この当時、身体をくねらせる造形術が
流行っていたのも納得ですd( ̄  ̄)

そして、名のある方々の豪華な
棺の展示を抜けると、
「ベルヴェデーレのトルソ」が
広間中央の群衆の中に現れます。



この彫刻は高さ約159cmで、
男性の胴体部分のみが残存しており、
頭部、腕、脚の大部分が失われています。

しかし、
その力強い筋肉の表現と動的なポーズは、
古代彫刻の技術の高さを物語っており、
筋肉と脂肪の質感にも拘っていて、
中年の筋肉であろうと
推察できるほどのディティールなのです。

大理石を削って肌質を表現するなんて
すごいですね(((;゚Д゚))))

大勢の観光客の波をかき分けながら、
金のヘラクレス像が飾られる
「円形の間」を通り、
壁一面に豪華絢爛なタペストリーが
飾られる「タペストリーの間」、



先の見えない長い通路にある
「地図の間」を抜けると
システィーナ礼拝堂に直結する通路に出ます。



今回は新教皇選出のコンクラーベ準備中
ということで、
ラファエロの巨大天井画は諦めました(;ω;)

最後は、
四方を絵画に囲まれた
「ラファエロの間」です!



ラファエロは、ダヴィンチや
ミケランジェロと共に
盛期ルネサンスを代表する偉大な画家です。

その性格はとても穏やかでイケメンで
若くして大成功を収め、
生前に自分と未来の伴侶が入る墓地を
「パンテオン神殿」の中に購入しています。



しかしながら、
37歳と若くして亡くなったため
生涯独身で正式に結婚することは
ありませんでした。

しかし、彼にはとても大切な女性が
いたのです。
最も有力なのは
「ラ・フォルナリーナ」(パン屋の娘)
と呼ばれる女性との関係です。

ラファエロは彼女をモデルにした
多くの作品を残しています。

結婚できなかったために、
墓地の左側には
ラファエロの自画像が飾ってありますが、
愛する伴侶が飾られるべき右側には
空虚な空間のみが鎮座しています。



そして中央には、
地下より発掘されたラファエロの棺が
寂しくライトアップされているのでした。



なんだか虚しく可哀想にさえ
思えますね( ; ; )

気を取り直してラファエロの超大作を
見ていきましょう!

四方八方に巨大な名画が並びますが、
「アテナイの学堂」ほど
有名な絵画はありません。



この絵には、古代ギリシャの
哲学者たちが理想的な建築空間の中で
議論や思索にふける様子が描かれています。

中央にいる2人は偉大なる哲学者
プラトン(左)とアリストテレス(右)です!

プラトンは、現実世界とは別に「イデア界」
という完全無欠な真の世界が存在すると考え、
そこに向かおうと天を指差し、
一方 アリストテレスは、
現実世界こそ大切なのだと手を水平に伸ばし、
この世界の存在を尊重しているのです。

また、絵画の偉人がやりがちな
イタズラも隠されています。

下の方に描かれている
哲学者ヘラクレイトスは
ミケランジェロの顔で描かれています。

ラファエロは大先輩である
ミケランジェロを尊敬していました。

しかしミケランジェロは少々ケチで、
自分の技法が盗まれるのを
嫌がっていたのです。

この絵にはラファエロが
ミケランジェロに抱く直向きな尊敬が
描かれていると思います。

ラファエロはイケメンで、
とてもモテた事でも有名ですが、
この様な謙虚でまっすぐな姿勢が
女性を虜にしたのも頷けますね^ ^

バチカン美術館は、
見どころが多く一つ一つを深く学ぶと
イタリアから帰れそうにもないので、
後ろ髪を引かれる思いで
夕食に向かいました(笑)

向かった先は、
ローマ市内でも有名な
「San Marco」です!

ここは、出されるもの全てが美味しく
ローマ最後の日には打って付けでした^ ^

特にピッツァマルゲリータは
具材が一切乗ってないのにも関わらず
奥深い味わいで、生地とチーズの間から
溢れる旨味が感動的で(*´︶`*)/



日本では見た事がないくらいシンプルで、
味わった事がないほどの美味しさでした!

海外のレストランあるあるですが、
Google Mapにある評価4以上のレストランに
惑わされないでくださいねヽ(´o`;

旅行者は、異国の地の食事に感動しがちで
高い評価を付けがちです。

実際行くとそれほどでもないお店も多く、
海外で日本人にとって
美味しいレストランの選び方は、
現地に長く住んでいる日本人ガイドさんに
オススメのお店を教えて貰うことです。

だいぶ長々と書いてしまいましたが、
他にもトレビの泉やパンテオン神殿、
カラカラ大浴場、ローマ水道
アッピア街道なども見てきました。






全ての場所にローマ帝国1500年の
素晴らしいロマンと英知が宿っていました。

コロッセオに響いていたであろう民衆の歓声、
トレビの泉に響き続ける流水の音色、
バチカンに並ぶ遺跡の荘厳な美しさ。

すべてが胸の奥深くに刻まれ、
一生忘れることはないでしょう。

「すべての道はローマに通ず」という
言葉に魅了されて辿り着いた永遠の都。
また訪れたく思います♪

それにしても、
イタリアのジェラートの美味しい事(*゚▽゚*)



日本ではまだ珍しい「Venchi」で
お土産を買って飛行機に乗り込みます。



「Ritornerò presto!!」
(また来ます!!)

江馬 潤 先生の写真

江馬 潤 医局長
えま じゅん

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内科研修を経て、美容皮膚科に携わる。患者さまお一人おひとりの気持ちに寄り添い、丁寧に対応するよう心掛けています。人生を楽しく過ごせるよう、一人でも多くの方のお悩みを全力でサポートします。

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