肌の「3大保湿因子」を知ろう!

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江馬 潤 先生の写真 江馬 潤 先生

肌の「3大保湿因子」を知ろう!

皆さん、こんにちは!

冬の厳しい乾燥から解放されつつある
今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
昼間は少しずつ暖かくなってきたものの、
夜桜見物に出かければまだ肌寒さを感じます。

冬の間の傷んだ肌が原因で多くの方が、

「いくら保湿しても潤わない」
「化粧のノリが悪い」
「かゆみや赤みが出る」などの、

肌トラブルを経験されているのでは
ないでしょうかヽ(´o`;

それは決して、あなたのスキンケアが間違って
いるからではありません。
冬の間は特に肌の保湿機能が低下しやすい季節
なのです。

今回は、
肌の保湿メカニズムを解説していきます^ ^


■肌の「3大保湿因子」を知ろう!
私たちの肌の保湿を支える要素は、
大きく3つあります。
これらは「3大保湿因子」と呼ばれ、それぞれが
連携して肌の潤いを守っているのです。

皮脂膜
肌の最も外側にある油分の薄い膜で、
細胞間の水分が逃げない様に保湿しています。

天然保湿因子(NMF)
NMFは「Natural Moisturizing Factor
(ナチュラル モイスチャーライジング ファクター)」の略です。
角質層という表面の0.02mmしかない層に存在
する水溶性の保湿成分で、肌の水分量を一定に
保つ働きをしています。

細胞間脂質
角質細胞の間を埋める脂質の層で、特にセラミド
が重要な役割を果たし水分の蒸発を防ぎます。

これら3つの要素が正常に機能することで、
健やかで潤いのある肌が維持されるのです^ ^

では、これら肌の保湿メカニズムをさらに詳しくお話ししていきます。

▼皮脂膜とは?
皮脂膜とは、
皮脂腺から分泌される皮脂が毛穴を通って
外界の汗と混ざり合ってできる薄い油の膜です。

これは肌の最も外側に位置し、保湿のみならず
外部からの刺激細菌の侵入を防ぐバリア
としての作用抗菌作用を持ち合わせています。

【皮脂膜の主な役割について】
– 細胞間の水分の蒸発を防ぐ
– 外部からの刺激や細菌から肌を守る
– 弱酸性の環境を維持し、真菌などの発育を
抑え、侵入してきた病原体の分子構造パターンを
認識して自然免疫を発動させる

皮脂膜は頻繁な洗顔や入浴で洗い流されがちです。
また、年齢とともに皮脂の分泌量が減少するため
特に30代以降の方は注意が必要となります。

天然保湿因子とは?
天然保湿因子は、
角質層の細胞内に存在する水溶性保湿成分の総称です。
主にアミノ酸、乳酸、ミネラルなどから構成
されており、外部環境に関わらず角質層の
水分含有量を恒常的に保つ重要な役割を担っています。

【天然保湿因子の主な特徴について】
– 角質細胞内の水分を保持する
– 角質層の柔軟化

天然保湿因子も過度な洗顔料の使用や熱いお湯
での洗顔で減少してしまいます。
また、加齢や紫外線によるダメージでも減少していきます。

▼細胞間脂質とは?
細胞間脂質は、レンガとモルタルの関係に
よく例えられます。角質層は、
角質細胞(レンガ)と細胞間脂質(モルタル)
によって構成されていて、これにより
細胞同士をしっかりと接着できるのです。

また、細胞間脂質はセラミド、コレステロール、
遊離脂肪酸などからできており、
それぞれが水に結びつきやすい親水基と水を弾く
疎水基(親油基)をもっているため、水分の層と
セラミドの層が交互にでき、ミルフィーユ状の
構造となって配置されています。

この構造を「ラメラ構造」と言います。
このラメラ構造が美しく整っていると肌の水分
がきちんと保たれて潤いに満ちたハリのあるお肌を維持できるのです。




【細胞間脂質の重要性について】
– 水分蒸発を防ぐバリア機能
– 外部刺激からのバリア機能
– 角質層の構造維持

特にセラミドは、細胞間脂質の主要成分であり、
肌の水分保持に極めて重要な役割を果たしています。
この様にセラミドは、
角質層の細胞間脂質の約50%を占めています。
ヒトの肌には、少なくとも12種類のセラミド
存在することが知られています。

ターンオーバーとは、
古い皮膚が剥がれ落ち新しい皮膚へと
入れ替わる作用のことですが、
セラミドはこのターンオーバーの中で作られて
細胞間脂質の中に放出されます。
セラミドは親水基を持っているため細胞間に
水を引きつけ、ラメラ構造になるからこそ
水分保持が可能なのです。

そして、
老化やその他の原因でセラミドが減少すると、
・肌の水分保持能力の低下
・ドライスキン
・敏感肌
・アトピー性皮膚炎
などの
肌トラブルを引き起こすリスクが高まります。

特に30歳を過ぎると、
体内でのセラミド生成量は徐々に減少していく
ため、外部からの補給が重要になってきます。

当院のAHPクリームというお薬は、
アセチルヒドロキシプロリン」配合
のお薬ですが、真皮内のコラーゲン産生を促進し
小皺の改善
毛穴の引き締め
をするばかりか、
表皮細胞の増殖を促し、
表皮中のセラミドや水分量を増加させ、
バリア機能を向上させる働きもあるのです。

【セラミドの特徴と重要性について】
– 水分保持能力が非常に高い
– 肌のバリア機能の中心的役割を担う
– 加齢やアトピーの様な皮膚疾患によって減少する

お肌の保湿は、単に製品を塗るだけではなく、
肌の構造と機能を理解した上で適切なケアを行うことが大切です。

皮脂膜、天然保湿因子、細胞間脂質
それぞれの役割を知り
正しい知識と方法で季節を問わず
潤いのある健やかなお肌」を僕と一緒に^^
目指しましょう!

江馬 潤 先生の写真

江馬 潤 医局長
えま じゅん

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内科研修を経て、美容皮膚科に携わる。患者さまお一人おひとりの気持ちに寄り添い、丁寧に対応するよう心掛けています。人生を楽しく過ごせるよう、一人でも多くの方のお悩みを全力でサポートします。

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