プロペシアとザガーロについて

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江馬 潤 先生の写真 江馬 潤 先生

プロペシアとザガーロについて

皆さん、こんにちは!

お盆も終わり、夏も残すところあと数週間ですが、
いかがお過ごしでしょうか?


私はご無沙汰気味の親戚に会うため
栃木県に遊びに行き乗馬を楽しんできました^ ^








さて本日は、

AGA治療で有名な内服薬
「プロペシア(フィナステリド)」

と、
「ザガーロ(デュタステリド)」

について話そうかと思います!



実際、夏場の暑さや季節の変わり目などの時期に抜け毛が増えて
お困りの方も多いかと思います。


これは寒暖差に自律神経が参ってしまい血行が保てずに髪の成長が阻害され
抜け毛が一過性に増えている状態かと。


このような理由でも抜け毛は一瞬増えますが、
AGA(男性型脱毛症)の慢性的な抜け毛の主な原因は、

DHT(ジヒドロテストステロン)と言われる
「悪玉男性ホルモン」であると言われています。


この「悪玉男性ホルモン」を作らせないようにするお薬が、
上記の「ザガーロ」と「プロペシア」にあたります。



まずここで知っておきたいのは、
抜け毛の原因である「悪玉男性ホルモン」には

「Ⅰ型の5αリダクダーゼ」
「Ⅱ型の5αリダクダーゼ」
という2種類の酵素の作用で作られています。

「プロペシア」はⅠ型のみをブロックし、
「ザガーロ」はⅠ型・Ⅱ型共にブロックします。


ここまで読むとⅠ型もⅡ型もブロックする「ザガーロ」の方が
効果も高く良いのではと思うのではないでしょうか?

実際、生え際の薄毛にはⅡ型もブロックできる「ザガーロ」が良いとされます。

また、
「ザガーロ」は抜け毛を抑えるだけでなく、発毛作用も期待できます

実際効果範囲の広い「ザガーロ」から処方するクリニックもあります。


ではここで、2つの薬剤の副作用を考えましょう。


既にご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、

2つとも稀に男性性機能の低下が副作用として現れます。

その内容は、
「性欲減退」「勃起障害」「射精障害」「精子の減少」などです。


またこれらの副作用は、
より広範囲の男性ホルモンをブロックする「ザガーロ」の方が出現しやすいとも言われます。

なので妊活中の男性は、どちらかと言えば「プロペシア」の方が適していると思われます。


また、
これら薬剤には男性ホルモンを抑える働きがあるので、
妊娠中の女性が内服するのも触る(経皮吸収されるので)のも禁忌です!


胎児が男児の場合、
男性ホルモンを抑制するので生殖器の発育障害を起こす可能性があるからです。

なので、うっかり触ってしまった場合は必ず石鹸で手を洗って下さい。


さらに、
男性側から これらの成分が精液を介して女性に移行し発育障害を起こす確率は極めて低いです。
サルを用いた動物実験でも影響はなかったとされてます。


しかし、気になる方は内服終了後
「ザガーロ」は6ヶ月、
「プロペシア」は1ヶ月を空けての妊娠計画をお勧めします。


そして、献血を行う際も注意が必要です。

採血した血液が女性に輸血されることがあるからです。


両製剤とも約6ヶ月内服して効果を出すものになりますが、
内服終了後も一定期間は血中に成分が残るので 献血までに期間をあける必要があります。

こちらも
「プロペシア」は1ヶ月間、
「ザガーロ」は6ヶ月間のインターバルが必要です。

つまり「ザガーロ」の方が投薬終了後も長く血中にとどまり、その効果が続くということになります!


まとめると、
「プロペシア」は、
妊活のご予定がある方(不妊治療を行っている方は不向きです)、
今までプロペシア(フィナステリド)で効果があった方に適しており、

「ザガーロ」は、
生え際に不安の強い方
抜け毛予防だけでなく発毛まで期待し、
内服終了後も効果を感じたい方に適しているといえます。


最後に、前立腺がんの検査には腫瘍マーカー「PSA」を測定しますが、
これら内服の方は この測定値が低く出る場合があります。

健診などで この「PSA」を調べるときは、
担当医師にこれら内服しているまでを必ず伝えて下さい。

江馬 潤 先生の写真

江馬 潤 医局長
えま じゅん

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内科研修を経て、美容皮膚科に携わる。患者さまお一人おひとりの気持ちに寄り添い、丁寧に対応するよう心掛けています。人生を楽しく過ごせるよう、一人でも多くの方のお悩みを全力でサポートします。

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